総務省の意向で携帯電話契約における解約金が大きく減り(会社によっては0円になるケースも)、乗り換えがしやすくなりました。
2021年10月1日からはSIMロックの禁止も予定されており、より乗り換え需要が高まると思われます。
携帯電話会社を乗り換える際に必要なのが「MNP」です。
適切にMNP手続きを行うことで、スムーズに新しい携帯電話会社で今までの電話番号が使えるようになります。
今回はMNPの基礎について知りたい方向けにMNPの意味、そして新規契約との違いや実際の手続き方法などを分かりやすく解説していきます。
MNPはモバイルナンバーポータビリティの略!

MNPは「Mobile Number Portability」の略であり、日本語だと「モバイルナンバーポータビリティ」と訳されます。
今携帯電話会社と契約しており、使っている携帯電話番号がある方に関係のある単語です。

「のりかえ」と言われることが多いガオ!
MNPの目的は「現在使っている携帯電話番号を、新しい会社へ乗り換える際に引き続き使えるようにする」ことです。
MNPを行うことでたとえば下記のような会社をまたいだ契約変更も可能です。
- ドコモ→ソフトバンク
- au→ワイモバイル
実はMNPは携帯電話が登場した当初から存在する仕組みではなく、開始は2006年からです。
2006年以前は携帯電話会社を変更すると今までの電話番号を使えないのが当たり前でした。
今では「携帯電話番号は引き継げるもの」という認識が当たり前になっています。
MNPは
- ユーザーからの連絡を受けて携帯電話会社が予約番号を発行する
- ユーザーは予約番号を基に新しい携帯電話会社へ契約
- 新しい携帯電話会社が情報を参照して乗り換え手続きを実行
という仕組みで成立しています。
新規契約だと電話番号が使えなくなる!MNPとの違い

MNPと新規契約には以下のような違いがあります。
新規契約では今の電話番号が使用不可に
新規契約の場合は電話番号を引き継ぎません。
ですから今の携帯電話会社との契約を終了させた際に携帯電話番号が使えなくなってしまいます。
ちなみに携帯電話番号のパターンには限りがあるので、新規契約によって使えなくなった携帯電話番号は廃棄されません。
再利用され他の契約者に自分が使っていた携帯電話番号が発行されるパターンもあります。
MNPを行う場合は手続きが必要
MNPを行う場合は携帯電話会社同士で番号の移譲手続きを行う必要があります。
ユーザー側でもMNPの利用の旨を伝えた上で、MNP予約番号という情報を会社から受け取って利用する手続きが必要です。
新規契約の際は契約時の選択肢から選ぶ、あるいは契約後に伝えられるといった方法で新しい携帯電話番号が決まります。
つまり、移譲手続きをしなくて済みます。
MNP手続きの詳しい手順は次の章でご紹介していきます。
MNPを行う場合は手数料が必要?
MNPの際に手数料が必要なケースもあるので注意が必要です。具体的には「MNP転出手数料」という形で手数料が発生します。
携帯電話会社の契約の際にはMNP転出手数料の他に
- 契約事務手数料
- 端末を購入した場合の料金
といった手数料が発生し、合計するとそれなりの初期費用になってしまうことがあります。注意してください。
ちなみに転出手数料以外の上記手数料は新規契約の際にも必要になってきます。
MNP転出手数料に対して費用が発生する場合、2,000〜3,000円であることが多いです。
電話番号を登録している方は要注意

主に以下のようなケースに当てはまる方はMNP手続きする必要があるでしょう。
連絡先がたくさんありビジネスでも利用している
現在ではLINEを使ってコミュニケーションを取るといった方法も人気がありますが、いまだに携帯電話番号を使って通話を行うパターンは多いです。
特に家族や友達、その他の知人がたくさんいて携帯電話番号を多用している場合は注意が必要になります。
MNPを行わずに携帯電話番号が使えなくなると、新しい携帯電話番号を関係者へ共有する手間が掛かります。
また、新しい携帯電話にした際に名刺の内容を書き換えたり、Webサイトに掲載している情報を変更したりといった手間が必要になる場合もあります。
携帯電話番号の変更によって連絡が取れない状態になるとお客様の不満を招いてしまう可能性もあります。

データ引継ぎや他人への共有などの手間を考えると、MNP転出を選んだほうが楽ガオ!
アカウント認証で携帯電話番号を利用している
最近はセキュリティについて関心が高まっており、単なるパスワードだけの認証ではセキュリティ性が不足するケースも増えてきました。
そこで各ネットサービスでは携帯電話番号を活用した2段階認証といった手法でセキュリティを強化する方針を打ち立てています。
新しくアカウントを作成した際に、携帯電話による追加認証が自動でONになるパターンもあります。
しかしネットサービスのアカウント認証時に携帯電話番号を用いている場合、仮に新規契約で携帯電話番号が使えなくなってしまうと認証ができなくなります。
特に金銭にかかわるサービスで携帯電話番号を使っている場合は復旧できなかったときのダメージが大きいので、MNPを利用したほうが安心できます。
MNP乗り換えを利用してキャンペーンの適用を受けたい
MNP乗り換えに対してキャッシュバックといったキャンペーンを用意している会社も複数あります。
新規顧客を獲得するための常とう手段ではありますが、ユーザーとしては上手く利用して携帯料金の節約につなげたいところです。
「新規契約よりMNPをしたほうが、新しい携帯電話会社でお得に携帯電話を使える」と思う場合は、無理して新規に携帯電話番号を発行せずにMNPを行ってみましょう。
MNPの手続き方法

ここからはMNPの手続き方法をご紹介していきます。
大まかな流れにはなりますがMNPの全体的な仕組みがすぐ理解できるようにしているので参考にしてみてください。
必要な情報・書類を準備
MNPの手続き方法は会社によって異なりますが、
- 店頭で直接行う
- 電話で対応してもらう
- Web上で完結させる
といった方法があります。
店頭で申込する場合は本人確認書類や印鑑などが必要です。
電話で対応してもらう場合は自分の名前や契約中の電話番号などを伝える必要があります。
Web上で申込する場合はサービスアカウントのIDやパスワードなどが必要です。
申込方法によって準備する情報や書類が変わるので公式サイトや問い合わせで確認してみてください。
MNP予約番号を発行してもらう
本人確認の処理が進んだら、携帯電話会社からMNP予約番号が発行されます。
MNP予約番号は後ほどの手続きで必要になるので控えておく必要があります。
期限以内にMNP手続きを完了させないと、再び予約番号を発行してもらう手間が掛かってしまいます。
MNP予約番号の期限は発行から15日以内ですが、7日以内などある程度の期限の残りがないと手続きを受け付けてくれない会社もあります。
【参考記事】auからソフトバンクに乗り換えるならオンラインがお得!手順や必要なものを解説
【参考記事】ドコモからソフトバンクに乗り換えるメリット!乗り換えに必要なものや手順もご紹介
【参考記事】ワイモバイルからソフトバンクに変更する(乗り換える)手順!必要なものもご紹介
申込時に、MNP予約番号を伝えて切替完了
MNP予約番号を取得した後は、新しい携帯電話会社への申込時に予約番号を会社へ伝えます。
申込後SIMを受けとって端末へ挿入すれば、無事契約は完了し携帯電話番号を引き継いで使えるようになります。
まとめ
今回はMNPとは何か、そして新規契約との違いや手続き方法などを解説してきました。
MNPによって携帯電話番号を引き継ぎながら使う方法が一般化しました。
新規契約をしてしまうと携帯電話番号が使えなくなって、不便が生じたりセキュリティ上の不安が残ってしまう点に注意しましょう。
MNP手続きの方法は会社ごとに少々違いますが大まかな流れは同じです。
慣れてしまえばスムーズに実行できるので、有効期限に注意して手続きを行ってみてください。
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